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東京地方裁判所 昭和29年(ワ)6114号 判決

昭和二九(ワ)第六一一四号原告・昭和二九(ワ)第八六〇四号被告 田中喜一

昭和二九(ワ)第六一一四号被告・昭和二九(ワ)第八六〇四号原告 斉藤源四郎

昭和二九(ワ)第八六〇四号被告 服部庸二郎 外五名

主文

昭和二十九年(ワ)第六、一一四号事件原告田中喜一と同事件被告齊藤源四郎との間に、原告が東京都台東区浅草山谷三丁目十番地所在木造瓦葺平家建居宅一棟建坪十五坪七合五勺及び同附属建物木造平家建一棟建坪八坪につき昭和二十六年十一月二十八日より昭和四十六年十一月二十八日まで賃借権を有することを確認する。

同事件原告のその余の請求を棄却する。

昭和二十九年(ワ)第八、六〇四号事件原告の請求は全部これを棄却する。

訴訟費用は昭和二十九年(ワ)第六、一一四号事件被告(同年(ワ)第八、六〇四号事件原告)齊藤源四郎の負担とする。

事実

第一、昭和二十九年(ワ)第六、一一四号建物賃借権存在確認請求事件。

(一)  原告訴訟代理人は、「被告との間に原告が主文第一項記載の建物(以下本件建物と略称する)につき昭和二十六年十一月二十八日より昭和四十七年九月十日まで賃借権を有することを確認する。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決を求め、その請求原因として、

「本件建物は昭和二十九年四月まで訴外高島三平の所有物であつたが、昭和二十九年五月被告は東京地方裁判所の競売事件で競落によつてその所有権を取得したものである。しかして原告は昭和二十六年十一月二十八日本件建物について当時の所有者訴外高島三平との間に期間二十年の賃貸借契約を結び、期間内の賃料合計金四十四万円を前払して右同日より引続きこれに居住してきたが、昭和二十九年五月二十日頃より被告は原告の右賃借権を否認し原告に明渡を要求するので、原告は被告との間に本件建物につき賃借権存在の確認を求める。」

と述べ、被告主張の抗弁を否認した。

(二)  被告訴訟代理人は、「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決を求め、答弁として、

「本件建物が昭和二十九年四月まで訴外高島三平の所有物であつたこと、同年五月頃競落により被告が所有権を取得したこと及び原告が本件建物を占有使用していることは認める。原告がその主張の頃右高島より本件建物を賃借したことは否認する。」

と述べ、抗弁として、

(イ)  かりに原告が本件建物を高島より賃借したとしても、それは被告の建物競売申立後競落に至る間に、原告と訴外高島が通謀の上、後日被告が競落によつて建物の所有権を取得して高島に明渡を求めた場合に、これを拒否する手段として結ばれた賃貸借契約であつて無効である。

(ロ)  かりに然らずとするも、右賃貸借契約は本件建物につき、昭和二十七年一月三十一日被告のための抵当権設定登記がなされた後に結ばれたものであるから、おそくとも昭和三十年九月十日をもつて満三年の経過により被告に対して主張し得ないものである。

と述べた。

第二、昭和二十九年(ワ)第八、六〇四号建物明渡等請求事件(併合事件)

(一)  原告訴訟代理人は、別紙記載のとおりの判決並びに仮執行の宣言を求め、その請求原因として、

「原告は訴外高島三平に対し昭和二十七年一月三十日金円貸借契約により弁済期を同年七月末として金八十万円を貸付け、その担保として同人の所有であつた台東区浅草山谷三丁目十番地の一所在家屋番号同町十番の三、木造瓦葺平家建住家兼作業所一棟建坪二十五坪二合五勺につき抵当権を設定させ、その登記手続を了したところ、同人はその債務を弁済しないので原告は右建物につき競売の申立をなし、みずからこれを競落して昭和二十九年一月二十二日競落許可決定を受け、同年四月五日代金を完納してその所有権を取得し、同年同月所有権取得の登記を得、又右建物の敷地は抵当権設定の当時高島の所有地であつたから、原告は右建物の競落と同時にその敷地につき法定地上権を得た。しかして、被告田中は昭和二十七年九月十一日以来、同服部は昭和二十八年二月以来、その余の被告等(但し被告河野を除く)は昭和二十九年五月以来、それぞれ本件建物の内別紙図面表示の部分に居住して、原告の所有権を妨害しているものであり、なお、被告田中は右建物敷地上に別紙図面表示のとおりの増築をして被告河野にこれを占有使用せしめ、共に敷地に対する原告の地上権を妨害しているものである。

よつて、原告は本件建物の所有権及び敷地の地上権に基き、被告等に対し別紙記載のとおりそれぞれ建物の一部の明渡並びに一部の収去退去とその敷地の明渡を求め、併せて右建物の各一部を占有することによつて原告に加えつつある損害の賠償として各部分の相当賃料額にあたる別紙記載の各金員の支払を求める。」

と述べ、被告等の抗弁に対し、

(イ)  被告田中は建物の前所有者訴外高島より二十年間賃借したというけれども、この契約は前述のとおり右両名通謀してなした虚偽の意思表示によるものであつて効力を有しない。

(ロ)  かりに右賃貸借契約が有効なものであるとしても、右契約は本件抵当権設定登記後である昭和二十七年九月十一日以後になされたものであるから、満三ケ年を経過した昭和三十年九月十一日以後は原告に対してこれを主張し得ないものである。しかして、この場合には昭和二十九年四月二十一日より同三十年九月十日までは賃料として、翌九月十一日より明渡済に至るまでは賃料相当の損害金として月額五千円を請求する。

(ハ)  本件建物の増築部分は被告田中が賃借権に基き附合建築したものとしても前記のとおり賃貸借関係が終了した以上これを収去して原状に復すべき義務がある。増築部分の敷地につき借地権ありとの被告田中の主張は否認する。かりに借地権ありとするも、法定地上権者たる原告に対抗する要件を備えていない。

(二)  被告等訴訟代理人は主文第三項と同趣旨の判決を求め、答弁として、

「原告がその主張のような経過により本件建物の所有権を取得したこと、被告等が、原告主張のとおり本件建物を占有していること及び本件建物の敷地が訴外高島三平の所有地であることは認める。」

と述べ、抗弁として、

(イ)  被告田中は訴外高島より昭和二十六年十一日二十八日本件建物を向う二十年間賃借し、期間内の賃料合計金四十四万円を前払し、同日よりこれを占有使用しているものであつて、同被告は同時に高島より本件建物を他に転貸するにつき包括的な承諾を与えられていたので、これに基き被告河野を除く他の被告等に別紙図面表示のとおり、本件建物の一部を転貸したものである。

(ロ)  更に被告田中は本件建物の敷地を所有者である訴外高島より昭和二十六年九月十日より二十年間普通建物所有の目的で賃借中のもので、増築部分については被告田中は権原に基いてその敷地を占有使用しているものであり、被告河野は、被告田中より増築部分の一部を賃借して占有しているものである。

と述べ、被告主張の通謀虚偽表示の再抗弁を否認した。

第三、立証として、第六、一一四号事件原告並びに併合事件被告等訴訟代理人は、甲第一、第二号証、第三号証の一乃至三、第四号証、第五号証の一、二第六乃至第十一号証を提出し、証人田中シゲ、同安達正行、同小沢剛太郎の各証言及び第六、一一四号事件原告(併合事件被告)田中喜一の本人尋問の結果(第一、二回)を各援用し、乙各号証の成立を認め、第六、一一四号事件被告(併合事件原告)訴訟代理人は、乙第一乃至第七号証を提出し、第六、一一四号事件被告(併合事件原告)齊藤源四郎の本人尋問の結果を援用し、甲第三号証の一乃至三及び第四号証中確定日附の部分の成立を認めるがその他の部分の成立は不知、第五号証の一、二の成立はこれを認める。その他の甲各号証の成立は不知と述べた。

理由

一、台東区浅草山谷三丁目十番地の一所在家屋番号同町十番の三、木造瓦葺平家建住家兼作業所一棟建坪二十五坪二合五勺がもと訴外高島三平の所有物であつたところ、右建物に対し昭和二十七年一月三十一日第六、一一四号事件被告(併合事件原告、以下被告と略称)齊藤源四郎のため抵当権が設定されその登記がなされ、右抵当権の実行による競売の結果、昭和二十九年一月二十二日同被告に対する競落許可決定がなされ同年四月五日同被告において代金を完納してその所有権を取得し、その旨の登記がなされたこと並びに右建物及び第六、一一四号事件原告(併合事件被告、以下原告と略称。)田中喜一が増築した部分を同人及び併合事件被告(以下併合被告と略称。)服部庸二郎、同早川正男、同早川新五郎、同木船秀行、同本沢卓司、同河野和文がそれぞれ占有使用していることは、いずれも当事者間に争がない。

二、よつて先ず右建物(原告田中喜一が賃借権存在確認を求めている建物との間に、その表示及び建坪に関し各々若干の相違があるが弁論の全趣旨より同一建物であることが認められる)につき原告田中が賃借権を有するかどうかの点を判断する。

証人田中シゲの証言及び原告田中喜一の本人尋問の結果(第一、二回)並びにこれにより真正に成立したものと認められる甲第一、第二号証、第七乃至第十一号証に証人安達正行、小沢剛太郎の各証言を加えて考察すれば、次の事実が認められる。

原告田中は昭和二十六年頃栃木県において洋服縫製業を営んでいたが、かねて東京に進出したい希望を抱いていたところ、同年八月頃本件建物を所有し皮革製品を製造販売していた訴外高島三平が転業資金調達のためにこれを賃貸する意向を持つていることを取引先より教えられ、同人と多少の面識があつたところから、同人と直接交渉した結果、同年九月初め本件建物とその敷地を賃借することとなり、建物については期間を向う二十ケ年とし、賃借権利金名義で金四十四万円を支払う反面、右期間内は賃料を支払わないこととし、増築改修等は原告の任意とする賃貸借契約を敷地については期間二十ケ年、賃料一ケ月金四百七十二円五十銭毎月末日払なる条件をもつて普通建物所有を目的とする賃貸借契約を各締結したが、原告は右金四十四万円を直ちに支払うことができなかつたので、同月二日頃預金の払戻を受けて内金七万円を同月七日高島に支払うと同時に、権利を確保し併せて子女の就学の都合上妻子を本件建物の一部に入居させ、栃木県下に所有する建物を売却して同年十一月二十八日高島に右権利金の残額を支払い、建物の賃貸借に関し契約書を作成して契約関係を明確にすると同時に賃借期間を昭和四十六年十一月二十八日までと改め、その後昭和二十七年九月十日以前に建物全物の引渡を受けてこれを占有使用するに至つた。

右に認定したところから推せば、金四十四万円は権利金なる名称にかかわらず、期間内の賃料全額の前払と一応推認せざるを得ず、かかる事例は世上稀にみるところというべきではあるが、それは当時訴外高島が転業資金として一時に多額の金銭を必要としていたこと、原告が東京都内において洋服裁縫業を営む根拠として期間一杯本件建物を使用する意志であつたこと(いずれも原告本人の尋問の結果から認められる)等の関係からなされたものと考えられ、少くとも原告に関する限りは、この一事をもつてして直ちに本件賃貸借契約が仮装行為であるとみることはできない又、確定日附の点については成立に争いなく、原告本人尋問の結果によつてその他の点についても真正に成立したものと認めらる甲第三号証の一、第四号証は、甲第一号証、第二号証とそれぞれその内容は殆ど同一であるのに、日附の点において前者は昭和二十七年九月十日、後者は昭和二十六年十一月二十八日となつているが、これは原告が本件建物を使用し初めてから訴外高島の素行言動に信用し難いところの多いことを感じ、ことに本件建物が処分されそうな形勢を知り得た結果、賃貸借契約を更に明確にするため確定日附ある証書を作成することを教えられ、既存の証書と同一内容の書面を再び作成してこれに確定日附を得たものでありその書面の日附である昭和二十七年九月十日に賃貸借契約が成立したものではないことが、原告本人尋問の結果により認められ、成立に争いのない乙第一号証、第七号証には右賃貸借の始期が昭和二十七年九月十一日頃である旨の記載があるが、右はいずれも競売事件に関し執行吏が調査作成したものであつて、その記載事実の根拠となつた資料が必ずしも確実なものであつたとはいえずこれを前段に摘示した甲号証と比較するときは、右乙号証の記載は未だもつて前記認定を動かすに足るものとは認め難く、被告本人尋問の結果中右認定に反する部分は措信できず、他に右認定を覆すに足る証拠はない。

三、以上判断したとおり、原告はおそくとも昭和二十六年十一月二十八日以降昭和四十六年十一月二十八日を終期とする賃借権に基いて本件建物を占有使用しているものであり、被告の主張するような通謀虚偽表示に基くものとはいえないし、又その始期が被告の抵当権設定登記より以前である以上、賃借期間を三年に短縮すべき理由はないから、以上についての被告の主張は採用の限りでない。しかして被告は本件建物の所有権取得により建物賃貸人たる地位を承継したものというべきところ、その取得後原告の賃借権を争い明渡を要求しているのであるから、原告は右賃借権を有することを確定する利益を有するものというべく、従つて原告の賃借権確認の請求は理由あり、被告の併合事件における建物明渡及び賃料損害金の請求は排斥を免れない。

四、次に、被告の原告田中及び併合被告河野に対する、増築部分約七坪二合の収去退去、その敷地明渡の請求について判断する。本件建物の敷地が抵当権設定当時訴外高島の所有土地であつたこと、被告が冒頭記載の経緯で本件建物の所有権を取得したことは当事者間に争いがないから、被告は敷地につき法定地上権を取得したものというベく、原告が地上に増築部分を所有していることは原告の明らかに争わないところである。しかして原告が右敷地たる東京都台東区浅草山谷三丁目十の六号宅地四十一坪二合五勺につき昭和二十六年九月十日当時の所有者訴外高島との間の契約により普通建物所有を目的とし期間二十年の賃借権を取得したことはさきに認定したところであるが、原告が右賃借権につき何等かの公示方法を講じたことの主張も立証もないから、これをもつて法定地上権者たる被告に対抗することはできない。しかしながら、前段認定のとおり原告田中は右土地上にある本件建物につき賃借権を有し被告齊藤の所有権取得以前にその引渡を受けているのであるから、被告は右建物の賃貸人たる地位を承継したものであるところ、建物の賃借権はその性質上敷地の利用権を伴わない限り賃借人においてその目的物たる建物の完全な使用収益をなし得ないものであるから、敷地の利用権は建物の賃借権に附従する権利としてこれと一体をなし、建物賃借権が対抗要件を具備するときは賃借人は建物の使用収益に必要な限度において敷地利用の権限を第三者に対しても主張し得るものというべきであるから、原告田中は右の限度内における本件敷地の使用権を有するものである。

しかして原告は前段認定のとおり訴外高島より本件建物につき増築をすることの承諾を得ているのであるから、本件増築部分が本件建物使用の必要の限度を超えていることの認められない以上、原告はその敷地利用権の適法な限度内において本件建物の使用を完からしめるためにこれを建築したものと認めざるを得ない。従つて原告が本件建物につき賃借権を有する以上、同人は右増築部分を敷地上に所有するにつき適法な権原を有するものというべく併合被告河野が原告より右増築部分を賃借してこれに居住していることは原告本人尋問の結果によつてこれを認められるから、同人の敷地占有は原告の右権原に基くものに外ならず、被告齊藤の併合事件における右両名に対する請求は理由がない。

五、最後に爾余の併合被告等に対する被告齊藤の請求につき検討するに、被告齊藤がその主張の経緯により本件建物の所有権を取得したことは当事者間に争いのないところであるが、すでに第二項に述べた如く原告田中は本件建物につき昭和二十六年十一月二十八日以後引続き賃借権を有しているのであり、成立につき争いのない乙第一号証並びに証人田中シゲの証言及び原告本人尋問の結開によれば右併合被告等は右建物の一部をそれぞれ原告田中より転借して占有していることが認められる。もつとも、右転貸借につき被告齊藤が建物所有権を取得した後同人の承諾を得ていないことは明らかであるが、建物の賃貸借がその建物につき所有権を取得した者に対してもその効力を生ずるときは、その建物に存する転貸借関係及び前賃貸人の包括的承諾による賃借人の転貸の権限もまた当然新所有者に対し効力を生ずるものであつて、新所有者において爾後転貸を許さないものとするには承諾の効力を維持することを不当とするような特段の事情変更が生じた場合であることを要し、且つ賃借人に対しその旨の意思表示をするを要するものと解するを相当とし、然らざる限り賃借人の転貸の権限は依然有効に存続するものというべきである。けだし転貸の権限は賃貸借の条件をなし賃貸借関係の一内容をなすものであり、賃借人が賃借権をもつて新所有者に対抗することを得、賃貸借関係が新所有者と賃借人との間に存続するに至つたときは、その条件たる転貸の権限もまた新所有者に対し効力を有するものと解すべきだからである。本件についてこれを判断するに、原告田中喜一の本人尋問の結果及びこれにより真正に成立したものと認める甲第三号証の三によれば、本件建物の前所有者訴外高島は、賃借人たる田中に対し本件建物の一部を残しその大部分を転貸することの承諾を与えていたことを認めることができ、これを本件建物賃貸借契約に際し二十年間の賃料金四十四万円を金額前払した事実に照して考えれば、右承諾はすこぶる広汎な利用権を原告田中に包括的に与えたものであることは明白であるといわねばならない。従つて前記併合被告等は原告田中よりそれぞれ本件建物の一部を適法に転借して占有しているものであるから、いずれも被告齊藤の本件建物所有権を違法に侵害するものではなく、同被告の右併合被告等に対する明渡請求及び損害金の請求も理由がない。

六、よつて、第六、一一四号事件原告の同事件被告に対する建物賃借権存在確認請求は、主文第一項記載の範囲においてこれを認容しその余を棄却すべく、併合事件原告の同事件被告等に対する建物明渡等の請求は全部失当であるからこれを棄却すべきものとし、訴訟費用の負担については民事訴訟法第八十九条、第九十二条但書を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 近藤完爾)

別紙

「昭和二十九年(ワ)第八、六〇四号家屋明渡等請求事件の請求の趣旨」

原告に対し

一、被告田中喜一は東京都台東区浅草山谷町三丁目十番地一所在家屋番号同町十番の三木造瓦葺平家建住家兼作業所一棟建坪二十五坪二合五勺のうち添付図面(1) 玄関二畳、(3) 六畳、(4) 四畳半を明け渡し且つ右建物のうち図面(2) 三畳、(8) 三畳、(12)四畳半二室の約七坪二合を収去してその敷地を明け渡す外二十九年四月二十一日より右各明渡済に至るまで一ケ月金五千円の割合による金員の支払をせよ。

二、被告服部庸二郎は上記建物のうち図面(5) 五畳、(6) 四畳半を明け渡し且つ昭和二十九年十月一日より右明渡済に至るまで一ケ月金二千円の割合による金員の支払をせよ。

三、被告早川正男は右建物のうち図面(7) 四畳半を明け渡し且つ昭和二十九年十月一日より右明渡済に至るまで一ケ月金一千円の割合による金員の支払をせよ。

四、被告早川新五郎は右建物のうち図面(9) 四畳半を明け渡し且つ昭和二十九年十月一日より右明渡済に至るまで一ケ月金一千円の割合による金員の支払をせよ。

五、被告木船秀行は右建物のうち図面(10)三畳を明け渡し且つ昭和二十九年十月一日より右明渡済に至るまで一ケ月金七百円の割合による金員の支払をせよ。

六、被告本沢卓司は右建物のうち図面(11)三畳を明け渡し且つ昭和二十九年十月一日より右明渡済に至るまで一ケ月金七百円の割合による金員の支払をせよ。

七、被告河野和文は右建物のうち図面(12)四畳半二室より退去してその敷地の明渡をせよ。

図面〈省略〉

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